子どもたちとのこと
今日で無事、夏休み前のレッスンが完了した。イエ〜イ
仕事納めって何て清々しいんだろう。私は仕事も好きであるが、休みはもちろん、大好きだ。実は昨日カアカ、膀胱炎を発症してしまったため、今日まで元気にこなせるかどうか少々心配だった。それはある日突然やって来る。膀胱炎、知ってます?わたくし一度、ブリュッセルでも起こしているため、それについてはけっこう詳しいのです
何の前触れもなしに突如、血尿が出て、いたたた…と、なるのだ。昨夜は怠くてフラフラして辛かった。でも今朝病院に行って薬をもらってきたため、今はわりと、緩和されている。まあ、膀胱炎の話はいいとして。

レッスンが無事終了して一息ついていた時に、友人音楽家からラインをもらった。
ちょっと聞いてよ!と言うものである。
彼女は半年間ほど、一生懸命に教えていた生徒さんが、結局ほとんど練習もせず、レッスンでも上の空で、お母さんから相談を受けたため、彼女の想いを伝えるべく論したところ、うちの娘には広く浅く習い事をさせたいから、もっと練習しなくてもいい先生のところへ行くので辞めます、と言われたそうである。なんだそりゃ。
彼女はガッカリして、子に習い事をさせる際の親としての姿勢とはなんぞや、と訊いてきた。当然、私たちは昔から、音楽という一つのものに集中して頑張ってきた種族であるからして、子どもの可能性を広げてあげると共に、その中から才能を見出し、これというものを伸ばしてあげたい、と考える。だから、広く浅く、練習もせず、と言う親は信じられない。私は昔、お子さんにはどんな大人になってもらいたいですか?と訊いてみたお母さんに、「ただただもう、平凡でいいです〜
」と応えられた時にはびっくらたまげたことがある。へえ、そんな親もいるんだなァ。私なら何か一つ自信の持てるものを持った大人になってもらいたい、とかウンチクたれるけどな。なんてね。

でも今、20年以上教える仕事を続けて来て、私は思う。
広く浅く…と応えたお母さん。それは、ただの言い訳なのではないかと。
本当は、上手になってもらいたい。人一倍、自慢できるような子どもになって欲しい。だから本当は、人の目が気になって仕方がない。
けれどもその我が子は、どうも何をやってもイマイチだ。それを、子どものせいにしたくない。もっと言えば、自分の責任にしたくない。それは、先生の責任だと、転化させる。だから、もっと他を探します、と来るわけだ。
そういうお母さんの子どもはたいてい、先生に対して心を開かない。何故なら、自分の母親に対しても、心を開けていないからである。思い返せば、昔、そんな子どもがいた。練習もせず、私の前ではイライラするばかりで、ついにその母親から、「先生のレッスンが怖いそうなので、今日限りで辞めます。」と突然言われておしまいとなった。
私はその子に対して全く怒ってなどいなかった。どうにかして、楽しくピアノに向かってくれないものかと考えていた。でもその子は、母親に嘘をついて、習いたくもなかったピアノからようやく逃れることができた。何て可哀想なんだろう。私はその子を助けてあげることができなかった。
教える側も、本当にいろいろなことがあって、今の自分がある。
私は今、いろんな個性豊かな生徒たちに囲まれているが、毎回毎回、本当にのびのびと楽しく新鮮な気持ちにさせてもらっている。
頑張って練習してくる生徒たちのレッスンはもちろんのこと、練習して来ない生徒とのレッスン時間も、すごく楽しい。何故だろう。昔の私だったら、今よりもう少し真面目に、少しでも練習してくるように対応していた。でも今は、どうやらネジが一本緩んでしまったようで、練習して来なかった生徒たちと戯れる時間が面白くて仕方がない。子どもたちの目はいつもキラキラと輝いているし、今、何に燃えているのか、また、何に悩んでいるのか、教えてくれる。こればっかりはうまく書けないのだけれど、要するに、教える側が楽しければ教わる側も楽しいと言うことに尽きる。一週間後のその子と会える、その時間が楽しみになれば、その子もまた、楽しみにしていてくれる。練習していなければ、先生に怒られるとビクビクしながらやって来るけれど、怒られることまで期待しちゃってるような
そんなワクワク感が満載の、今日この頃の生徒たちである。

うまくいかない子どもと接する時、それは、根っこの深い、親子関係に問題があることも多いと思う。
子どもの個性を生かすも殺すも、まわりの環境は大きい。全ての子どもたちが伸びやかに、すくすくと育ってくれることを、切に願う。
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